
猫が腎臓病の時に処方される代表的な薬
猫が腎臓病になった時に、動物病院で処方される主な薬というのがあります。
ここでは、その中でも代表的なものについてご紹介します。
効果や副作用、飲ませ方などについて知っておくと、いざ飲ませなくてはならなくなった時に慌てずに済みますよ。
目次
セミントラ

医薬品名 | セミントラ |
---|---|
形状 | 液体タイプ |
主成分名 | テルミサルタン |
効果 | 尿中へのたんぱく漏出の抑制 |
副作用 |
|
【セミントラの価格高騰について】2020年12月現在
セミントラの販売価格は、先の新型コロナウイルス流行により、世界的に高騰したそうです。
それでも、個人輸入サイトでは、入荷してすぐに売り切れとなっており、入手が難しいお薬となっています。
メーカーのベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパンは、動物病院に向けて、日本国内での供給は2020年年内の再開が難しいとアナウンスしています。
新型コロナウイルスの流行当初より、セミントラの販売に力を入れていた個人輸入サイトとして「ぽちたま薬局」さんを挙げさせていただきます。
個人輸入サイトは日本国外の流通で商品を確保することができます。
特に、ぽちたま薬局さんはセミントラの確保に力を入れているようです。2020年12月現在も、入荷しては販売を繰り返していましたので、セミントラが確保できずにお困りの方はぽちたま薬局さんを訪れてみてください。
個人輸入サイトとはどんなものなのかについては後述します。
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セミントラの有効成分と効果
「セミントラ」は、慢性腎臓病の猫のおしっこ中に、たんぱく質が流れ出すのを抑制する効果のある薬です。
有効成分は「テルミサルタン」で、この成分が尿にたんぱく質が漏出するのを抑制してくれます。
これは、人間の血圧降下剤としても使用されている成分です。
テルミサルタンは、役割を終えた後もその成分のほぼ全量が肝臓から胆汁とともに排出されるため、腎臓への負担がありません。
そのため、セミントラは比較的新しい薬ですが、獣医師によく選ばれています。
セミントラの副作用と注意すべきこと
嘔吐、軟便、下痢が副作用として挙げられていますが、これらはごく稀に起こる症状だということです。
血圧を下げる作用があるため、ふらつきが見られることがあります。
服用後の猫に元気がなくなり、ぐったりしていたりふらつきがある場合は、獣医師にご相談ください。
セミントラの形状と飲ませ方
以下の量を、1日1回、経口投与させるか、または少量のご飯に混ぜて与えます。
投与量の目安
体重1㎏に対しテルミサルタン1mg(0.25mL/㎏)
猫の体重が1kg増える毎に0.25mLを足していきます。
- 1㎏:0.25mL
- 2㎏:0.5mL
- 3㎏:0.75mL
- 4㎏:1.0mL
セミントラは液体タイプの経口薬で、錠剤などに比べて与えやすいという点で優れています。
付属のシリンジを使って、猫の口に直接与えてもよいですが、薬を嫌がる猫の場合は、フードにかけるなどの方法で与えることができます。
そういえば、投薬用のちゅ~るが出ましたね。
猫がちゅ~るにアレルギーを持っていなければ、これに混ぜている人もいるみたいです。
もしも、猫ちゃんがお薬を飲みたがらなかったら、なんとか投薬する方法を考えましょう。
猫ちゃんに嫌がらずに薬を飲んでもらう方法については、追々記事にしたいと思います。
セミントラを個人輸入するなら
セミントラ購入なら、ペットのお薬を販売している「ぽちたま薬局」さんがとてもおすすめです。

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セミントラは、動物病院で処方してもらうのが最も安心できると思うのですが、筆者は、先の新型コロナウイルスの流行で病院に行くのが怖くなったことがありました。
また、その流行のおかげでセミントラが供給不足に陥り、知り合いの動物病院でも足りなくなったことがあったんです。その際に、個人輸入サイトという手段がすごく便利だったと聞きました。
今後、同じように薬が足りなくなった時のことを考えて、ぽちたま薬局さんへのリンクを貼ります。
ぽちたま薬局さんを推している理由は、セミントラが入荷次第に販売を繰り返していた動物用医薬品の通販サイトだったからです。
他にも推す理由があるのですが、それは追々記載しますね!
なぜ尿たんぱくの漏出抑制が必要なのか?
慢性腎臓病になった猫は腎臓の機能低下によって尿中にたんぱくが漏れ出しますが、腎臓病においてはこのことが腎臓の機能低下を促進させる要因になると言われています。 そのため、尿たんぱくを抑制することが猫の腎臓病にとって必要なのです。
フォルテコール

医薬品名 | フォルテコール |
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形状 | 楕円形の錠剤 |
主成分名 | ベナゼプリル |
効果 | 尿中へのたんぱく漏出の抑制 |
副作用 |
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フォルテコールも、セミントラと同じような効果が期待できるお薬です。
セミントラとは違って錠剤となりますが、ぽちたま薬局さんではセミントラの代替品として紹介されていましたので、セミントラの供給不足でお困りの方はこちらを投与してもいいかもしれません。
ですが、飲ませることが心配な場合は、獣医師に相談された方がいいですね。
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フォルテコールの有効成分と効果
「フォルテコール」は、慢性腎臓病の猫のおしっこ中に、たんぱく質が流れ出すのを抑制する効果のある薬です。
有効成分は「ベナゼプリル」で、この成分は体の血管を広げ、血圧を下げる効果があります。
これは、人間の血圧降下剤としても使用されている成分です。
フォルテコールの副作用と注意すべきこと
フォルテコールの副作用は、血圧の低下によるふらつき、嘔吐・軟便・下痢などの消化器症状などです。
また、それまでみられなかった咳が副作用として発現することもあります。
服用後の猫に元気がなくなり、ぐったりしていたりふらつきがある場合は、獣医師にご相談ください。
フォルテコールの形状と飲ませ方
フォルテコールは、猫の体重に応じて経口投与させます。
以下の量を投与しますが、タイミングは食前・食後のどちらでもよいそうです。
フォルテコール2.5mg |
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フォルテコール5mg |
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フォルテコールは楕円形の錠剤で、持ち歩きなどがしやすいです。
有効成分の含有量が2.5mgのフォルテコールにはバニラ風味、5mgのフォルテコールにはビーフ風味のフレーバーがついています。
フレーバーがついていることによって、与えるとおやつと間違えてうっかり食べてくれることが多いです。
ですが、警戒心が強く、特に薬が嫌いな猫は、錠剤を飲みたがらない傾向があります。
そのため、なかなか薬を飲まない時は、投薬補助おやつを使うという手段が最もおすすめです。 猫ちゃんは美味しいおやつをもらえるし、飼い主も投薬時のストレスを感じることが少なく、最善の方法だと思います。
おすすめの投薬補助おやつについては、追々記事にします。
フォルテコールを個人輸入するなら
フォルテコール購入なら、ペットのお薬を販売している「ぽちたま薬局」さんがとてもおすすめです。

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昔飼っていた猫に、フォルテコールを動物病院で処方してもらったことがあるのですが、動物病院って薬の値段を獣医師が自分で決めることができるので、値段がマチマチだったりするんですよね。
しかも、どこで処方してもらったとしてもフォルテコールの値段は高いなと感じました。
もちろん愛猫の病気の治療はしますが、経済的なことが負担になる場合は、動物病院で診察をしてもらってフォルテコールを処方された際、薬のストックを自分で個人輸入するのが、猫の医療費を抑えるうえでは一番いい方法かもしれません。
特に慢性腎不全ともなると、薬と長く付き合っていくことになる可能性があります。
出費を抑えるためには、個人輸入という手段について検討してみるのも良いかもしれません。
フォルテコールプラスについて

ところで、「フォルテコール」という名前がついた薬で「フォルテコールプラス」という薬があるのですが、こちらは犬の僧帽弁閉鎖不全症の薬です。
フォルテコールも犬の僧帽弁閉鎖不全症に対しての適応があり、少しややこしく感じますが、フォルテコールと間違ってフォルテコールプラスを購入しないように注意しましょう。
ラプロス

医薬品名 | ラプロス |
---|---|
形状 | 円形の白い錠剤 |
主成分名 | ベラプロストナトリウム |
効果 | 腎機能低下の抑制 |
副作用 |
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ラプロスの有効成分と効果
ラプロスは、比較的新しい猫の慢性腎臓病治療薬です。
有効成分は「ベラプロストナトリウム」で、細い血管を拡張させて腎臓内の血流をより多くするはたらきがあります。
腎臓病の猫が腎臓機能を回復させることはできませんが、腎臓が機能しなくなる「腎臓の線維化」という現象を予防してくれる働きがあります。
ラプロスの副作用と注意すべきこと
ラプロスの副作用は、嘔吐・軟便・下痢などの消化器症状などです。
服用後の猫に元気がなくなったり、ぐったりしていたり、ふらつきがある場合には、獣医師にご相談ください。
ラプロスの形状と飲ませ方
ラプロスは、1回あたり1錠を1日2回、朝晩の食後に服用とされています。
ラプロスは円形の白い錠剤で、保存や持ち歩きには便利です。
小さめではありますが錠剤なので、警戒心の強い猫ちゃんは飲みたがらない傾向があります。
そのため、なかなか飲まない時には、飲ませる工夫が必要です。
猫に薬を飲ませる工夫については、追々記事にします。
ラプロスの個人輸入について
2020年12月現在、ラプロスを個人輸入できる動物用医薬品のサイトを見つけることはできませんでした。
ラプロスを猫ちゃんに飲んでもらいたいと思う場合は、動物病院で処方してもらう必要があるということです。
価格について調べたところ、動物病院によってマチマチで、1カ月分が6000~9000円ほどと、かなりの差がありました。
この薬のジェネリックが発売されて、通販などで入手できるようになるまでには、しばらく時間がかかりそうです。
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この記事を書いた人

トム
「猫の腎臓病を知ろう」編集部・編集部員
ひなこの友人で猫好き。30代サラリーマン。
現在は一人暮らしだが実家で2匹の猫と暮らした過去あり。獣医師の友達がいる。