
猫の腎臓病の治療
現代の医学では、猫の腎臓は一度破壊されてしまうと元に戻すことができません。
そのため、猫が腎臓病になってしまうと、根治させることはできないのです。
ですが、猫が腎臓病と診断されても、病気の進行を遅らせ、腎臓の機能を失っていない部分を長く使っていくために、できる治療があります。
主に動物病院で行われている治療法について調べてみました。
皮下輸液

腎臓病の猫の腎臓は、「血液を濾過して老廃物や不要な栄養素を体外に排出するフィルターのような役割」をする機能が低下しているため、体外に排泄すべき老廃物と水分を一緒に体外に捨ててしまうのです。
そのため、腎臓病の猫は、慢性的な脱水症状に陥っていることがあります。
腎臓病の猫の飲水量が増えるのも、そのためです。
そのため、猫の体内の水分量を増やして、体内に毒素が残らないよう、更に老廃物の排泄を促します。
薬の投与

猫が腎臓病と診断されたとき、動物病院ではどのような薬が投与されているのか、ざっくりと調べてみました。
ACE阻害薬
- フォルテコール(有効成分:ベナゼプリル)
- セミントラ(有効成分:テルミサルタン)
- ラプロス(有効成分:ベラプロストナトリウム)
「ACE阻害薬」とは、猫の腎臓病に投与されることの多い薬の種類です。
猫の腎臓病治療には主に、上記の3つの薬が投与されることが多いです。
人間が使うACE阻害薬というと、高血圧の薬を思い浮かべる方は多いと思います。
猫に投与されるこれら3剤は全身の血圧を下げますが、特に腎臓内の血圧を下げる働きをします。
腎臓病に高血圧がよくないとされる理由については後述します。
吸着剤
猫が食事を摂った後に体内に残る毒素を吸着して、体外への排出を促してくれるお薬です。
その働きによって、間接的に腎臓にかかる負担を軽くしてくれます。
特に、腎臓病のために作られた食事(療法食)を食べてくれない猫に非常に有効です。
食事療法

猫が腎臓病になると獣医師は、餌を腎臓病の療養食に切り替えるように勧めます。
療養食は、リンやたんぱく質の含有量を抑えたキャットフードが主なものになります。
腎臓にとって、食事中に含まれるリンやたんぱく質はかかる負担が大きいからです。
腎臓病の初期の段階から食事を切り替えることが推奨されているため、猫の腎臓病で病院にかかると、まず食事を切り替えるようにアドバイスを受けることが多いと思います。
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この記事を書いた人

トム
「猫の腎臓病を知ろう」編集部・編集部員
ひなこの友人で猫好き。30代サラリーマン。
現在は一人暮らしだが実家で2匹の猫と暮らした過去あり。獣医師の友達がいる。